
MUSEUM TOWER KYOBASHI - OFFICE LOUNGE
I IN
2024 | 東京, 日本 | 押出成形
—— 空間自体のデザインコンセプトについてお聞かせください。 また空間内のどのような場所でタイルを使用していますか。
アートミュージアムを内包するオフィスビル、ミュージアムタワー京橋の受付ラウンジスペースのデザイン。「Work with Art」をコンセプトに創造的な働き方を促進する環境の提供を目指しました。従来の通過するロビーから滞在するラウンジへと生まれ変わらせるために、物理的にも精神的にも自宅とオフィスの間のような場所として捉え、オフィスで働く人々が建築と空間が持つポテンシャルを再発見をしていくことで、建物への愛着を持って過ごせるような場所となるよう意図しました。元々空間に備わっていた整然とした仕上がりの壁面や天井のルーバー。その静的な美しさを持つ場所に暖かな光を灯すことで、柔らかな光の広がりに包まれるような印象を生み出します。太陽光の緻密な計算を元に生まれたビルファサードのルーバーのデザインは、建物のアイコン的な要素です。その知的な魅力を感覚的な美しさを伴って体験できるよう、素材をセラミックに変えてパーティションとして空間内に設置しました。一つ一つ成型して作られたセラミックのピースが、土の手触り感と風が流れたような爽やかな印象を空間にもたらします。空間の中央に御影石でつくられた大きなプランターを設置することで、箱庭のような場所が自然の生命力と人の感性が交差する場となり、緑が柔軟な創造力を育むことを願いました。
—— 今回制作したタイルについてお聞かせください。 デザインコンセプト、タイルでどのような表現をしようと思ったか、どんな機能をもたせようとしたのか、こだわり部分などご自由にお聞かせください。
建築のファサードとして元々作られていたアルミ製のルーバーは、建物のインテリジェンスとデザインのアイコン性を持つ要素でした。オフィスで過ごす人々にとって、建物に対する愛着を想起していただくよう、その建物のアイコンを形と素材を変えてラウンジに設置することを考えました。 クールなアルミではなく、土の親しみと暖かさを感じるセラミックで製作し、ルーバーパーティションとして、人に近い場所に設置をしました。そのデザインのユニークさを伝えながら、土の質感豊かなルーバーに包まれる暖かさを体感していただければと考えました。 アルミだからできた緻密な凹凸を、焼き物で作る難しさを理解しながら、あえてディテールを丸めることなく極力そのまま表現しようとすることで、アルミ製のルーバーとの質感の対比が際立ったと思います。
—— 以前もTCTでタイルを制作してくださっています。今回新たに発見したり感じた、タイルという素材の面白さや可能性などありましたらお聞かせください。
前回は仕上材としてのタイルでした。 今回は立体的なものとして、より素材そのものの持つ個性を表現したいと思いました。 製作現場にもお邪魔して、成型や焼きの工程についてご説明をいただきました。釉薬や成型時の重力のかかり方、焼く際の熱の関係性など、地球で起こる様々な科学反応を複合的に扱うことで完成することを改めて魅力的に感じました。その反応が起こす、新しい表現につながる思わぬ結果にまた立ち会うことができると嬉しいです。





