Tajimi Custom Tiles

MY WITCHES SANDWICH

hsdesign

2025 | 大阪, 日本 | 乾式プレス成形 | 使用面積 50m²

—— 今回オリジナルタイルを導入してくださったショップは、どのような空間でしょうか。空間自体のデザインコンセプトも合わせてお聞かせいただけたら幸いです。

大阪市の九条という下町の商店街に計画した、小さなサンドイッチ店です。昭和初期に栄えた町中には、その名残りを感じさせる店舗や工場、住宅が多く立ち並び、下町特有の素朴な町並みと居心地の良さがありました。その居心地の良さを、店の内部空間でも感じられるような、町とどこか繋がる空間を意図しました。

—— その空間内のどのような場所にタイルを使用していますか? また、さまざまな素材がある中で、タイルを使用することにしたのはなぜでしょうか。

商店街から店内への連続性を図るため、ファサードから内部に続く腰壁全体と造作家具にタイルを用いています。九条の町を歩くと、外壁の雨掛りに様々な色の小口タイルや二丁掛タイルが貼られていたり、屋根や壁に粗野な波板が貼られた建物が多く見られます。 それらの飾らない素材の集積が風景をつくり、町に漂う空気に作用しているように感じたため、店内に取り込む風景の断片の一つとしてタイルを選びました。

—— オリジナルタイルをデザインする際に、特にこだわったポイントはどのような点でしょうか。

町中で散見される素材を参照する一方で、そのままを再現するのではなく、色調、サイズ、釉薬の加減等にこだわり、微妙な違いを感じられるよう調整しました。同時に、出隅やR部分などの細かな納まりに配慮することで、ただノスタルジックに設えるのではなく、風景が僅かに更新されることを意図しています。

—— タイルという素材にはどのようなイメージを持っていましたか? 今回の制作で、タイルという素材について何か新たに発見したことや感じたこと、可能性などはありましたでしょうか。

タイルは、土という自然素材を基に、人の手によって成形・焼成されるという「自然と人工の間」の素材とも捉えられる側面に魅力を感じていました。今回製作していただいた緑のタイルも、一見すると緑一色のタイルですが、僅かなグラデーションと釉薬の繊細な光沢によって、均質さと不均質さを感じる多様性を実現でき、改めてタイルという素材の可能性と面白さを感じました。

—— 実際に、多治見でタイルを制作された感想をお聞かせください。多治見でタイルを製造することの良さ、ここがおもしろかった、驚かされたなど、もしお気づきの点があればお聞かせください。

多治見のショールームで、豊富なカラーサンプルや製法サンプルの違いを実際に比較確認できたことは、貴重なプロセスでした。特に短納期な中で、迅速に対応してもらえる製造工場との連携を探っていただけたことは、協働体制の取れた多治見ならではの強みだと感じました。また、小ロットのために他ではなかなか対応してもらえないような細かな色の調整にも、とても真摯にご対応いただき、意図したタイルと空間が実現できたと感じています。